歯がグラグラしたり、歯の周りから出血したりしている場合は、歯を支えている骨や歯の根っこが折れていることが考えられるため、歯医者さんでレントゲン検査などをしてもらう必要があります。
頭や顔、あごなどをケガした時は、まず脳震とうを起こしていないか確認することが大切です。
頭痛やめまい、吐気、ふらつきなどの症状がある場合は、脳震とうを起こしている可能性があります。体を動かさず静かに休ませて、脳外科などの専門診療科で受診しましょう。
「意識があるので大丈夫」と自分で判断して、スポーツや遊びをつづけたために悪化するケースもあるので、症状が軽いと思われる場合でも受診することをおすすめします。
あごの骨が折れていたり、脱臼していると口が開かない、または開き方が不自然になります。
このような症状が見られた場合は口腔外科などで受診をしましょう。 骨折部位により症状もさまざまですが、あごが骨折部位を中心にずれてしまうこともあるため、かみ合わせを重視した機能回復が重要となります。
歯をケガした場合、子どもだけでなく大人も動揺してしまい、適切な処置ができないということも…。
ケガの影響が大きくならないよう、まずは親御さんが落ち着いてケガの状態を確認してください。
ケガの状態別に応急処置を確認!
歯がグラグラする
歯がグラグラしたり、歯の周りから出血したりしている場合は、歯を支えている骨や歯の根っこが折れていることが考えられるため、歯医者さんでレントゲン検査などをしてもらう必要があります。
応急処置
歯が欠けた
大きく欠けた場合は神経(歯随)にダメージを受けていることがあります。また、欠けたところから感染症を起こすこともあるので注意が必要です。
応急処置
歯が抜けた
歯が抜けても条件がよければ、歯を植え直すこと(再植)ができます。一般的には、ケガの症状が軽く、早く歯医者さんの診察・治療を受けると再植できる可能性が高くなるとされており、再植固定まで2時間以内が一応の目安とされています。
再植ができなかった場合は、ブリッジやインプラントなどの治療がありますが、子どもの場合は永久歯が生えるまで(またはアゴが成長しきるまで)、失った部分を補う処置(乳歯義歯や保隙装置など)を行うことがあります。
応急処置
歯の位置がズレた
乳歯の場合や永久歯が生えたての頃にケガをすると、歯の位置がズレることがよくあります。
乳歯をケガした時、「永久歯に生えかわるから」と放置しておくと、永久歯の生える方向や形などに影響が出る場合があるので要注意。
応急処置
上唇の裏の筋が切れた
口や歯を強く打ったはずみなどで、上唇の裏から上前歯の歯茎に伸びる筋(上唇小帯:じょうしんしょうたい)をきってしまうことがあります。
かなり出血しますが、心配することはありません。口の中の傷は治るのが早いので、10日前後で元の状態に戻ります。
応急処置
ケガをしたのは乳歯?永久歯?
ケガをしたのが乳歯なのか永久歯なのかは気になるところですよね。
当然のことながら、永久歯は生えかわりません。しかし、永久歯が抜けてしまった場合でも、条件がよければ再び植えつけること(再植)ができます。
乳歯の場合、「いずれ生えかわるから大丈夫」と放置すると、永久歯の生える方向や形などに影響が出るケースがあるので要注意。永久歯・乳歯いずれであっても歯をケガしたら、歯医者さんに診てもらうようにしましょう。
永久歯が抜けても条件がよければ、歯を植え直すこと(再植)ができます。一般的には、ケガの症状が軽く、早く歯医者さんの診察・治療を受けると、再植できる可能性が高くなるとされています。
ケガで歯が抜けた場合は、すぐに抜けた歯を探してください。絶対に捨てないように!
また、抜けた歯を拾う時、歯の根の部分を触らないようにしてください。
歯が汚れている場合は、歯牙保存液で軽く洗いましょう(約20秒程度)。歯牙保存液が無い場合は簡易生理食塩水(後述)か、コンタクトレンズの保存液で代用しましょう。水道水やミネラルウォーターでの洗浄はさけてください。また、歯の根っこについたピンクの組織は洗い流さないようにしてください。
そして、歯を乾かさないように保存して、歯医者さんに持っていきます。その時、歯牙保存液に浸けて保存します(学校の保健室などにあります)。
歯牙保存液がない場合は、簡易生理食塩水やコンタクトレンズの保存液で代用してください。これらがすぐに用意できない場合は、牛乳で代用します。
水道水に浸けると、組織が死んでしまうのでNGです!
見た目は軽いケガに見えても、歯の根っこや神経などが傷ついているケースもあり、そのままにしておくと、お子さんの歯の成長に影響を及ぼすことも。
自分で判断せずに、できるだけ早く歯医者さんに診てもらいましょう。
子どもがスポーツをする機会が増え、接触や転倒などによる歯のケガが多発しています。これらのケガを防ぎ、症状を軽くするために、マウスガードを使用する子どもが増えています。また、マウスガードをすることで噛み合わせが安定するため、脳震とうを防ぐ効果も。
マウスガードには、歯医者さんでつくるカスタムメイドタイプと、市販タイプがあります。どちらもメリット・デメリットがあるので、購入する前にどちらが適しているか、よく検討しましょう。
いかがでしたか?抜けた歯の保存方法など、意外に知らないこともあったのではないでしょうか。万が一お子さんがケガをされた時は、今回紹介した知識を思い出し、適切な対処をしてあげてください。
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