株式会社 松風

歯の教室

よく噛んで育つ、お子さまの心と身体

食事の際「よく噛んで食べなさい」と言われたことがよくありますよね。

そもそもなぜよく噛んで食べないとダメなのでしょうか?

よく噛むこととお子さまの健康・・・

実は以外なところにそのヒントがありました。

野生にすむ動物です!

 

野生動物はむし歯になるでしょうか?

実は野生動物は、基本的には むし歯になりません

歯磨きをしなければ、歯医者さんもいない野生の世界で、なぜむし歯にならずにすむのでしょうか?

その答えをみていきましょう。

野生動物にむし歯が見られないのは?

なぜ、野生動物がむし歯にならないのかというと、それは 食べ物をよく噛んで食べるから

 

肉食動物でも草食動物でも、食事(えさ)を調理することなく生のままで食べています。

自らの歯で自然に生えている草や獲物の肉を嚙みちぎり、木の実なら砕いて食べています。

そうした繊維質の多い自然の食べ物を上手く消化するには、飲み込むまでにあらかじめしっかりとよく噛まなければいけません。

野生動物にとって消化は命に直結します。よく噛んで食べることで、だ液をたくさん分泌し、こうした食べ方こそが結果として歯磨き効果を生み、厳しい野生環境を生き抜く術となっているのです。

では動物園で飼育されている動物たちはどうでしょうか?

もともと野生で暮らしていた彼らであっても、動物園で与えられたエサが原因でむし歯になることがあるそうです!

同様に野生動物が自らの住み家から人里に現れ、人が食べるものを食べるようになるケースは、むし歯や歯周病を発症することがあると言われています。

また、犬や猫を中心とするペットとして家庭で飼育されている動物も、むし歯や歯周病が増加しているようです。

よく噛んで食べると、なぜむし歯になりにくいの?

 

食べ物をよく噛むことで 消化酵素を含んだ、だ液の分泌が促され…

作用1)だ液に含まれる消化酵素が消化を助ける

作用2)細かくかみ砕くことで胃腸の負担を減らす

作用3)だ液が歯の汚れを洗い流す

作用4)だ液に含まれる成分が歯の再石灰化を促す

作用5)酸性に傾いたお口を中性に戻す

よく噛んで唾液がたくさん出る食習慣のお子さまは、むし歯になりにくく、消化器官も健康なのです。

 

噛むことで発達する、お子さまの脳とこころ

「おいしいね」

食べたものを美味しいと感じるのは、食べ物それ自体よりもむしろ、よく噛んで味わうという行為からこそ生まれるものです。

よく噛む習慣を身に付けると、お口の中や消化だけでなく、こころを含むからだ全体の健康づくりにも作用します。

満腹感

噛むことが満腹中枢を刺激し、食べる速さや量を調節する

発音・滑舌

噛むことで、あごや舌の筋力が正常化し、発音や滑舌を助ける

記憶力・集中力

あごの運動により脳の血流がよくなり、脳の機能を活性化

運動能力

よく噛む習慣により噛み合わせがよくなると、運動時のバランスや姿勢、筋力や瞬発力などの運動能力が正常化する。

情緒の安定

噛むというリズム運動により体の緊張がやわらいで、ストレスを解消する。

免疫力

唾液の分泌がよくなり、唾液に含まれる免疫物質が細菌を減少させ、結果的に病気になりにくくなる。

 

いかがでしたか?

「噛む」という行為以外では、「歩くこと」や「呼吸をすること」も、ヒトの脳にあらかじめプログラムされている生命を維持する上で重要な神経回路です。

いずれも、こうした運動が満足にできない状態にあると、健康になんらかの支障をきたすことが多くなります。

中でも「よく噛む」ことは、幼い時から身近に気を付けることのできる習慣。

噛むことの大切さを認識し、ぜひご家庭でもよりよい食習慣を実践しましょう。